鉄棒の指導に自信を持っている理由

 おこがましいが、私は鉄棒を教える事に誰よりも自信を持っている。それは客観的にみた以下の三つの理由からだ。
①鉄棒運動が全然できなかったので、できない悲哀を知っている。(感情面)
 前述のように、私は鉄棒が大嫌いだった。全くできなかった。だから子供達の(嫌い)(やりたくない)という気持ちに強く共感することができる。鉄棒が子供の頃から好きだった人にはそれはできまい。その差は決定的であり、大嫌いだったのが大好きに変化した私にしか伝えられない事があると思っている。
②大人になってから練習し始めたので、物理的な法則を考えて練習してきた。(理論面)
 私が鉄棒を本当に始めたのは、もう30歳前の頃だった。そんな人はあまりいないに違いない。前述のように子供に教えてもらい始めたのだが、当然理論的に教えてくれない。好きな子は、教えてもらうというよりも練習を繰り返すうちに何となくできるようになっていく。できるようになった理由もあまりわかっていない。大人になってもできる人は、ほとんどが子供の頃は同じだ。
 しかし、私は大人になってから始め、体育が専門だったため(体育が専門のくせに鉄棒ができないのは何だかなぁ・・・)本を読み理論を重視して練習を重ねた。自分の体を使い、どうやったらできるのかという事を具体的に理解する事ができた。今ではできない子の様子を見ると、「何故できないか」「どうしたらできるか」が即座に判る。鉄棒は理論的に説明しやすいので、実は指導もしやすいと言える。
③何よりも多くの児童を指導してきた。(経験面)
 実際子供と一緒に鉄棒をして直接指導していた期間が25年以上。それ以外の時期も教職員(大人)に向け実技研修会などを行っていたため、間接的に指導した事にもなる。直接的、間接的にと考えると、私の指導理論、指導方法が伝わったの子供の数は多分何千人という数になるだろう。
 初期の頃の子供達に申し訳ないが、教えながら試行錯誤し、さらに指導方法を磨いてきた。その意味でも多くの子供達を指導した経験は、私の宝である。(生まれて初めて○○ができた!!!)という多くの瞬間に立ち合い、感動をお裾分けしてもらった多くの思い出もある。出会った子供達に感謝している。
 手前味噌だが、この三つを兼ね備えている鉄棒好きが、そういるとは思えない。

鉄棒への恩返し

 鉄棒好きを一人でも増やしたい。日本中の子供達が(もちろん大人の方もいてくださると望外の喜びではあるが)鉄棒に興味をもち、学校や公園の鉄棒でたくさんの子供達が鉄棒を楽しむようになって欲しい。さらには、この日本独特の鉄棒文化(外国の体育では無いようだ)が少しばかりでも世界に広まる事を夢見ている。そのために微力ながらも力を尽くしたいとこのブログを始めた。今後YouTubeも始める予定にしている。(子供向け、海外向けも視野に入れ)
 鉄棒は私にとって照らすべき一隅であり、これは多くの感動を与えてくれ、また多くのことを教えてくれた鉄棒への私の恩返しなのだ。前置きが長くなったような気がするが、いよいよ明日から具体的な技の解説に入っていきたい。

 最初にお断りしているが、ここで「鉄棒」と書いているのは、本来学校体育でいう「鉄棒遊び」「鉄棒運動」のことである。「鉄棒」は物の名前をさすので名称としては本来おかしいが、一般的にはそう呼ばれる事が多いためこのブログではそう書かせていただいている。ご容赦願いたい。

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著者

輝空

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